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 スパコン「京」を目撃

昨日、神戸市他が主催する、一般向けセミナー「意外と知らない?暮らしを支えるスパコンの働き」に行ってきた。

その前の見学会で、スーパーコンピューター「京」を見てきた。

下の階でポスターの展示をゆっくり見てたら、「京」を見る時間が10分くらいしか無くなってしまった。
見学室に入ると、説明員の方が会場からの質問を受けていた。次々に質問がなされていて、
「京」は一般向けに時間貸ししていること(部分的に借りれる)、
「京」の100%を借りると一時間百数十万円であること、
「京」を100%使う用途も20以上あるが他の人が使えなくなるので月1〜2日に決めていること、
CPUはSPARCというやつ、
OSがLinuxであること、
「京」の候補地は最後に神戸と仙台に絞られ、インフラの利で神戸に決まったこと、
2020年運用開始予定のポスト「京」も今と同じ場所に作られること、
がわかった。

セミナーの開会の挨拶では、文部科学省の人がスパコン研究プロジェクトの必要性を熱く語っておられた。
「行政事業レビュー」で「数ある事業の中で最も説明されてこなかったのがスパコン事業だ」と厳しく追及された件は、実際には色々説明していたが、政治家に発せられたその一言だけをマスコミが取り上げてフォローしないから世間的にスパコン研究が無駄という印象になっているのが実態であること、なぜ「2位じゃダメなんでしょうか」の理由は、単純明快なので何度も言われてきたことだが、1位のものを製造する技術があって初めて国際的な競争力になるから、ときっちり説明された。

講演は4つなされた。セミナーは撮影禁止だったので、細かい内容は伏せるが、無難な概要と、筆者がした質問と講演者からの回答を記しておく。

1. 「シミュレーション事始め」
 シミュレーションするには、物理モデルを作って、四則演算のみのアルゴリズムにして、プログラムを作る、精度を上げるには解像度を上げる(シミュレーションする三次元的な位置を細かく取る)必要があり、3乗や4乗(三次元+時間)のオーダーで計算量が増えるのでスパコンが必要になる、スパコンの根幹の技術は複数台のコンピューターを接続する技術、という一般的な話。
Q:インターネット上の複数台のコンピューターを接続して並列計算を行う場合の接続技術とスパコン内のプロセッサーの接続技術との特徴的な違いは?
A:距離と遅延。隣のノードの計算結果が頻繁に必要になる場合はスパコンが有利。

2. 「『京』が拓く天気予報の未来」
 スパコンによるシミュレーションと、全方位レーダーによる高速で詳細な雨雲の観測などの最新の観測技術を組み合わせることによって、雨雲が無い状態から30分後に発生するゲリラ豪雨も10分や15分前に予測できるようになるなど、新たなことができるようになる可能性が色々あるという話。

3. 「世界最先端スパコンが変えるタイヤづくり」
 タイヤの分子構造を兵庫県にあるSPring-8で計測して「京」てシミュレーションすることによって、低転がり抵抗、高グリップ性能のタイヤの耐摩耗性能を倍にする方法を発見したという話。
Q:動的な物理モデルの正確さはどのようにして確認したのか、正確でなかった時はどうやって改良したのか?
A:やはり高性能な計測機器を用いて実物の動きを計測しながらモデルを作成している。

4. 「電気自動車高性能化への挑戦:スパコンと放射光が解き明かす電池の姿」
 SPring-8と「京」を用いることによって原子構造、電子構造のシミュレーションを実現し、充電式電池の性能を向上する構造を見つることができたという話。

熱い。

物理シミュレーションこそ、コンピューター及びソフトウェア技術がstate of the artな最先端の科学に最も貢献できる分野であり、最も不可欠な用途であると、改めて思った。

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