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2015年01月 アーカイブ

2015年01月28日

男性不妊因子の治療

筆者は、7月に精液検査というものをして、受精に繋がる精子がほぼ0という結果が出てしまった。 特に、受精の成功率に大きく関係するとされる、"PMSC A"の精子量が、下の表のように、0.0〜0.3×106/mlと極端に最低基準を下回っていたのである。
精液の質は日々の体調によって大きくばらつくので、結果が悪い場合は1ヶ月以内に再検査するのだが、それでも悪かった。

不妊治療(ART)では、自然妊娠がうまくできなければ、人工受精(AIH) → 体外受精(IVF) → 顕微授精(ICSI)、と順に「ステップアップ」する手段があるのだが、その最後の手段である顕微授精でも相当困難になるという、絶望的な数値であった。

男性不妊の原因の9割とされる「造精機能障害」である。
それから治療を続けた結果、半年でかなり改善したので、経緯を報告する。

検査結果の推移
検査項目WHOの
旧基準値
WHOの
新基準値
検査日単位
2014/7/47/119/2011/52015/1/17
精液量2.0以上1.5以上1.02.21.52.94.7ml
精子濃度20.0以上15.0以上12.59.41.717.783.0106/ml
運動精子濃度(MSC)1.41.61.39.044.8106/ml
高速前進(PMSC) A5.0以上0.00.31.26.441.5106/ml
低速前進(PMSC) B0.00.10.01.61.7106/ml
運動率(A+B+C)50以上11.217.0775154%
運動率(A+B)40以上0.04.3714552%
直進運動性 A25以上0.03.2713650%
直進運動性 B0.01.1092%
直進運動性 C11.212.7662%
精子自動性指数(SMI)80以上08???
※この間、年齢は40歳であった。
 7/11以前の検査は婦人科での検査。結果用紙の「高速前進(PMSC) A」が赤字(強調)であった。
 9/20以降の検査は泌尿器科での検査であり、検査項目が少ない。

以前から、精力というか男性ホルモンが低下してるっぽい自覚症状はあった。
35歳くらいから、いわゆる朝立ちが全く無くなった。
勃起力も次第に弱くなり、38歳くらいからか、完全に勃起することがほとんど無くなった。
2回目の鬱病のピークが34歳の頃で、その頃から、性欲が急速に低下した。
心療内科で処方された薬の中には、EDを引き起こす可能性があるとされるもの(ジェイゾロフト)が含まれており、4年後の症状がほぼ無くなった頃に、その薬から服用を停止したが、その薬の影響が無くなるとされる2ヶ月が経っても、何も改善しなかった。
なお、1回目の鬱病のピークは29歳の時で、その時はジェイゾロフトは飲まなかった。

1年前から、EDの治療を意識し、泌尿器科に相談して薬剤を処方してもらったり、独自に様々な取り組みをしたが、改善は見られなかった。その流れで、婦人科にて精液検査を受けた結果、冒頭の「特発性造精機能障害」が判明し、再度、泌尿器科に相談した。

不妊症とは、医学的な定義としては、正常な性交渉を2年間継続して妊娠に至らなければそう診断されるものである。その内、男性に(も)原因があるものを、男性不妊症と呼ぶ。 (筆者の場合、性交渉に至っていないので、厳密には男性不妊症には当たらない。)
男性不妊の原因の9割が造精機能障害であり、6割は原因不明の「特発性造精機能障害」とされ(参考文献[1])、改善する為の確実な方法は知られていない。また、研究の結果、原理的に特効薬は無いことが確実とされている(参考文献[2])。
造精機能障害には、次のような種類がある。

乏精子症
精子濃度がWHO基準値未満
高度乏精子症
精子濃度が5×106/ml未満
無精子症
精子濃度が0
精子無力症
精子運動率がWHO基準値以下

(目安として、ある病院では、大体、精子濃度が20〜30×106/ml以下なら人工受精、3×106/ml以下なら体外受精、1×106/ml以下なら顕微授精が適当、という基準にしているらしい[1]。 婦人科の医師からは、タイミング法等によって自然妊娠を目指すには、精子濃度が40×106/mlはあることが望ましいと言われた。当然、大半の男性の精子濃度はそれを上回っているし、運動率も50%を上回っている。)

これらの内、無精子症以外の場合、まず行われるのは、漢方やビタミン剤(B12やC)の処方である[1]。 処方される漢方薬には、「補中益気湯」や「八味地黄丸」などがある[2]。
補中益気湯
精子運動率の改善作用があるとされる。
八味地黄丸
精子数の増加作用があるとされる。
精子運動率が改善することもあるとの情報あり。
地黄というのがお腹に強烈らしく、腹痛を起こすこともある。

筆者は「乏精子症」と「精子無力症」に該当し、補中益気湯が処方された。
精子の形成は70日以上かかるので、漢方薬の服用は3ヶ月は続けるとのことだった。
それから、普段の生活で気を付けるべきこととして、以下を確認した。

  • ストレスが大敵
  • 適度な運動をする、但し股間を圧迫する自転車は好ましくない
  • 股間を暖め過ぎない、膝上でのノートパソコン使用は良くない
  • 喫煙は良くない
  • 薬によっては影響することもある
  • 禁欲期間は長過ぎないこと
  • バランスの良い食事
ネットでは、コーヒーの飲み過ぎも悪影響をもたらすようなことが書いてあったので、医師に聞いてみたが、それは関係ないとのことだった。

これを受けて、7/19から補中益気湯を飲み始め、それから2ヶ月くらい、雨の日以外は毎晩欠かさず3km程度のウォーキングを行った。
ストレスは、仕事をセーブするなどして、軽減するように努めた。
膝上でのノートパソコンや喫煙は、筆者は元々していない。問題となった薬も既に停止していた。
コーヒーは特に関係ないとのことだったが、念の為、毎日800ccは飲んでいたのを、500cc程度に減らした。

食事については、参考文献[3]に、以下の栄養分が必要と書いてあった。

  • ビタミンE
  • ビタミンB12
  • 亜鉛
  • セレン
  • アルギニン
元々、納豆を週5日、魚も週3日以上は食べていたので、ほぼ不足はしていないと思ったが、アルギニンの摂取量には自信が無かったので、すりごまを毎日食べるようにした。

なお、11月以降は寒くてウォーキングを中断したが、しばらくすると勃起力が下がった実感があり、少し再開するとすぐ回復した感じがした。運動の有無が調子を大きく上下させると感じたので、週末の昼間になるべく3kmくらいは歩くようにした。

その結果、2ヶ月後のデータは運動率から改善したと読んで良いかどうかわからない(この時だけ精子濃度が極端に低いので、検査対象の採取に問題があった可能性がある)が、4ヶ月後には精子濃度、運動率共に、WHOの新たな最低基準値を上回り、6ヶ月後には造精機能障害を脱したと言える水準まで回復した。

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